「オナニーのし過ぎはハゲる」という噂を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?
ヤフー知恵袋などのお悩み解決サイトを見ていると、このような噂が色んな人の耳に入っているということがわかりました。また、回答者さんの回答を見ていると事実とは異なる内容を伝えていたり、どうしてこのような噂が広まっているのかの原因の一部も分かりました。
そこで、今回はこの噂の真実や噂されるようになった理由、ハゲてしまう本当の原因についてお伝えします。
目次
結論からお伝えしますと、オナニーでハゲる可能性は低いです。その理由は、オナニーをするとハゲるという医学的なデータがないからです。
なお、2020年に全国の男性2015人を対象に行われた日本家族計画協会の調査によると、20代男性で週2~3日以上オナニーをしている割合は60.3%、30代では56.2%と半数以上いることがわかりました。
それに対して薄毛男性の割合はどうでしょうか?
株式会社リクルートが25,004人を対象に行った薄毛に関する意識調査2021によると薄毛であると回答した割合は26.7%であることが分かりました。
この結果から、オナニーと薄毛には関連性がない可能性が高いということがわかります。そのため、「オナニー=ハゲる」という説については噂程度に捉えていただくといいでしょう。
では、なぜこのような噂が出回っているのでしょうか?
お悩み解決サイトの質問や回答を見てみると以下の理由で噂が広まっていることが分かりました。
①オナニーは亜鉛やタンパク質を消費するから
②オナニーをすると男性ホルモンが増えるから
これだけを見ると確かにそうかもしれないと納得してしまいそうですね。確かに、これらが薄毛に全く関係ないかと言われると間接的な関係はあるかもしれませんが、直接的な関係はありません。
そのことについて以下で具体的に説明します。
男性は射精によって少量のタンパク質や亜鉛を消耗することが分かっており、これらの栄養素は髪の毛を構成する重要な要素です。
つまり、髪の毛を構成するために必要なこれらの栄養素を射精によって失ってしまうためハゲてしまうのではないかという不安から生まれた噂である可能性が高いです。
しかし、射精によって失うタンパク質と亜鉛は極わずかな量で、体にはほとんど影響がなく、一般的な食事をしていれば補給することができます。そのため、オナニーによる亜鉛やタンパク質の消耗によって薄毛になるということはないでしょう。
確かに、オナニー中は男性ホルモンの量が増えます。そして、ほとんどの男性の薄毛の原因であるAGAも男性ホルモンが原因となって発症します。
しかし、勘違いしないでください。
オナニー中に増えるのは「テストステロン」と呼ばれる骨や筋肉の成長に関係している男性ホルモンで、AGAの原因になるのは「ジヒドロテストステロン(DHT)」という脱毛ホルモンとも呼ばれている男性ホルモンです。
これらは名前は似ていますが働きは全く異なるのです。名前が似ているというところから勘違いされて噂になっているのかもしれませんね。
また、オナニー中はテストステロンの量は増えますが、禁欲をしていても徐々にテストステロンの量は増加し、7日目で最大値になると言われているのでオナニーをしてもしなくても増えるのです。
そのため、最初からこの説は破綻しているということになります。
先述の通り、ほとんどの男性の薄毛の原因はAGAという男性型脱毛症です。日本人男性の約3人に1人が発症すると言われています。
「AGAの原因って生活習慣とかが原因なんじゃないの?」と思われがちですが、これも間違いではありません。しかし、AGAの原因の主となるものは他にあります。
それでは男性ホルモンと遺伝がAGAとどのような関係があるのか具体的に解説します。
先述でもお伝えしましたが、AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)と密接な関係があります。ジヒドロテストステロンは、骨や筋肉を作る男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという還元酵素(タンパク質)によって変換されることで生成されます。
そして、生成されたジヒドロテストステロンは、アンドロゲンレセプターと呼ばれる男性ホルモン受容体に結合することで脱毛因子(TGF-β)の生成を促します。
この脱毛因子は、毛乳頭や毛母細胞の機能を抑制する作用があり、髪の毛の成長を阻害するのです。そして、この状態が長く続くことで髪の毛は弱く抜けやすい毛に変化し、その結果としてAGAを発症してしまいます。
AGAの原因となる遺伝子は2つあります。
まず1つ目は、『5αリダクターゼの活性度』です。この酵素は、テストステロンをジヒドロテストステロンという男性ホルモンに変換する役割を果たします。もし5αリダクターゼの活性度が高い場合、ジヒドロテストステロンの生成量が増えます。それにより、AGAを発症するリスクが高まるのです。
2つ目は、『アンドロゲンレセプターの感受性』です。このレセプターは、ジヒドロテストステロンが結合して特定の反応を引き起こす受容体です。アンドロゲンレセプターの感受性が高いと、ジヒドロテストステロンが結合しやすく、脱毛因子の生成が増加します。その結果、髪の毛の成長が阻害され、AGAが進行する可能性が高まります。
これらは、家族からの遺伝によって影響を受けます。そのため、家系に薄毛の人がいる場合は、注意が必要です。
まず前提として、薄毛の原因となるAGAは発症すると現在の医学では完全に治ることはありません。そのため、辛いことをお伝えしますが、どんなにご自身で対策をしても、AGAの進行を食い止めることができないのです。
しかし、AGAは治療を行うことで完治はしませんが、AGAの進行を食い止め、薄毛部位の増毛をすることができます。
これだけ聞くと治療すれば治ると勘違いされてしまいがちですが、治療を行っている間だけ症状が改善するだけで、治療を止めた途端に症状は進行します。
つまり、AGAの進行を抑えたい場合は継続的に治療を行っていく必要があるのです。
そして、AGA治療は主に治療薬を使用して行われます。治療薬の種類は以下の三種類です。
・フィナステリド
・デュタステリド
・ミノキシジル
フィナステリドやデュタステリドは薄毛の進行を抑制する薬として、どちらか1つを1日1錠服用します。フィナステリドとデュタステリドは5αリダクターゼの活性を抑え、ジヒドロテストステロンの生成を阻害する効果があります。その結果薄毛の進行を抑制することができるのです。
ミノキシジルは発毛を促進する薬として1日1錠服用します。ミノキシジルは血管を拡張する作用があり、血流を促進することで毛乳頭や毛母細胞に栄養を十分に送れるようになり、髪の毛の成長を促進することができます。
このように治療薬を使うことで薄毛の進行を食い止め、発毛効果を得ることができるのです。
AGAは自身で対策をすることで、発症前であれば予防、発症している場合は進行を遅らせたり、治療の効果を高めることができます。
もし少しでも頭皮のことで不安がある場合は下記の対策を行ってみてください。
髪の毛の成長には、適切な栄養摂取と血液循環を良くすることが重要です。そして、生活習慣はこうした要素に深く関わっています。
まず、適切な栄養摂取についてです。
適切な栄養を摂取するためには当たり前のことですが、バランスの良い食事をしてください。髪の毛の成長には「ビタミン」「ミネラル」「タンパク質」といった3種類の栄養素が必要になるため、これらをバランスよく摂取するようにしましょう。また、大豆に含まれる「イソフラボン」やみかんの皮に含まれる「d-リモネン」という栄養素はジヒドロテストステロンの生成を抑制する効果があるので積極的に摂取するのもおすすめです。
次に血液循環についてですが、これは2つの生活習慣が大切になります。
1つ目が適切な睡眠を取ることです。睡眠は自律神経のバランスを整える効果があり、自律神経のバランスが整うことで血行も良くなります。適切な睡眠時間は6~7時間ですのでこれより長かったり、短い睡眠を取っている方は調整してみてください。
そして2つ目が適度な運動を行うことです。特にウォーキングやジョギングといった有酸素運動は血行を促進する効果があります。なお、ジヒドロテストステロンを排出する効果もあるため、一石二鳥になるのでおすすめです。
ストレスを発散することは睡眠と同様に自律神経のバランスを整えることができます。ストレスが溜まると交感神経が優位な状態になり、血管が収縮するため血行不良が起こります。
そのため、リラックスする時間を確保したり、軽い運動をすることでストレスを発散しましょう。自身に合った方法でストレスを発散することで自律神経のバランスが整い、血管が弛緩するため血行が良くなります。その結果髪の毛の成長を促進させることができます。
正しいヘアケアは頭皮を健康的な状態に保つために重要です。頭皮の状態を健康的に保つためのヘアケア方法には以下のようなものがあるので参考にしてみてください。
・頭皮の乾燥などが気になる場合はアミノ酸シャンプーなど洗浄力が弱いシャンプーに変える
・洗髪時は指の腹で優しく洗う
・髪の毛は自然乾燥させず、必ずタオルドライとドライヤーを使って乾かす
・頭皮マッサージを行う
・育毛剤を使用してみる
他にもヘアケア方法は沢山あるのでご自身に合ったヘアケア方法を見つけてみてください。
オナニーのし過ぎでハゲるというのはただの噂であり、何の根拠もありません。むしろ、そのようなことを気にすることでストレスになり、別の要因で薄毛が進行してしまう可能性があります。
そのため、薄毛かもしれないと一人で悩んでストレスを溜め込んでしまう場合は、AGAクリニックで毛髪検査を受けて現在の頭皮状態をはっきりさせることが大切です。
クリニックによっては無料で検査を行っているところもあるのでご自宅の近くで無料検査を実施しているクリニックがないか探してみてください。また、アゲインメディカルクリニックでも無料で検査を行っているのでお気兼ねなくご相談ください。当院では患者様一人一人の頭皮の状況に合った治療を提供しています。
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東京駅の近くのAGA治療専門の「AGAINメディカルクリニック」で院長をしている武石と申します。
当院に来られる患者さんは、20代~30代と若くして薄毛の症状にお困りの方が多くいらっしゃいます。
本記事では、そんな薄毛にお悩みの方に向けて、AGAや薄毛、抜け毛等に関する情報をお届けしておりますので、少しでも不安のある方は参考にしてみてください。